秘書/キャリア

元社長秘書が語る!秘書の具体的な仕事内容【求められる対応も解説】

秘書に興味があるのですが、実際はどのような仕事をするのでしょうか?

今回は、こちらのご質問について、人材会社で2年間、代表取締役の専属秘書を務めていた私がご回答します。

また、「秘書になりたいけど、どんなことに気をつければ良いんだろう…」と不安な方に向けて、実際に「秘書に求められる対応」についても、ご紹介しています。

 

秘書の具体的な仕事内容

企業や担当する上司の役職によって、細かな内容は異なることもありますが、秘書としての代表的な仕事内容を10個ご紹介します。

 

1.メール・郵便物のチェック


上司の役職にもよりますが、上司宛に届くメールや郵便物は多岐に渡ります。

新旧のクライアント様や、所属されている研究会や勉強会など、毎日膨大なご連絡が届くため、緊急かつ重要なものから、上司にお伝えしていく必要があります。

 

また、上司宛であっても、他部署へ回すべき資料や、DMなどが紛れているため、ある程度の選定基準は事前に確認しておきたいところ。

基本的に、親展以外のものは全て秘書で確認をし、上司に判断を仰ぐもの以外は、どんどんと処理していきます。

 

また、上司に判断を仰ぐ際は、一度にまとめて行えるよう、事前にポイントを整理をしておくと良いでしょう。

メールの閲覧権限がある場合は、スピード感が必要になると心得ておきましょう。

 

2.スケジュール管理


日々たくさんの予定が入っている、上司のスケジュール管理は秘書の基本業務です。

上司にその日のスケジュールをお伝えしたり、資料などの事前手配をしておくことはもちろんのこと、上司が不在の際もスケジュール管理は必須になります。

 

具体的には、上司に代わって、会議への出欠を回答したり、出席可能な日時を提案の上、スケジュール調整などを行います。

場合によって、次から次にアポイントがある場合は、休憩時間を挟むなど、上司に配慮したスケジュールを設定しましょう。

 

また、頻繁にクライアントを装って、アポイントの依頼があるため、判断しかねる場合は、上司に確認をしてからアポイントを取るようにつとめましょう。

 

3.出張手配


出張の際、交通手段や宿泊先の手配を行います。

 

交通手段

出張先によって、お車や運転手新幹線や飛行機など、様々な手配が必要になります。

出張のスケジュールを把握した上で、最適なルートをご案内できるよう、準備しておきましょう。

また、新幹線や飛行機は、好みの座席や場所などもあるため、事前の把握が必要です。

 

宿泊先

宿泊を伴う場合、御用達の旅館やホテル好みの部屋のタイプ食事の有無などを、確認しておくようにしましょう。

また、社内規定によって、一泊あたりの宿泊費の上限が定められていることもあるため、上司の希望が規定内に収まるかも、確認しておきましょう。

 

また、次の日のスケジュールによっては、駅の出入口に近いホテルや、タクシーを手配しておくなど、宿泊後の流れも考慮する必要があります。

 

海外出張の際は、提携先の旅行会社や、現地のグループ企業に一任することもありますが、事前に担当を確認するようにしておくと安心です。

パスポート期限なども必要になるため、すぐに回答できるよう、事前に確認しておきましょう。

 

4.経費精算


会社によって異なりますが、出張費や経費の精算を秘書が行うこともあります。

上司の希望によっては、現金でお渡しすることもあるため、事前に社内の経理担当者へ精算方法と、特別対応が可能か否かも確認しておきましょう。

 

もし、金額が大きくなる場合、経理担当者へ小口を準備していただく必要があるため、予め担当者へ一報を入れておくと良いでしょう。

 

また、社内規定によって、会合や社員との食事などは、お相手のお名前や人数を細かく記載したり、タクシー同乗者や、出張経路を細かく提出する必要があります。

領収書等をお受け取りする際に、口頭でも確認するようにしておきましょう。

 

5.会議室手配・会場準備


上司主導で会議を行う際は、秘書が会場やお飲物お弁当等を準備することになります。

予め参加人数と開始時間を確認し、人数に適した会場を予約するようにしましょう。

 

また、参加者への招集連絡や出欠確認前日のリマインドや、当日の資料やお飲物のセッティングは、秘書が率先して行う必要があります。

 

会場によっては事前入室が難しいこともあるため、予め時間に余裕を持って、予約をするようにしましょう。

遠方からの参加者がいる場合は、交通手段や宿泊手配など、こちらで行う必要があるかも、事前に確認するとGood。

 

また、撤退時の原状回復や、掃除など、会議終了後の対応も忘れずに行いましょう。

現在は、オンライン会議が主流になっている会社もあるため、ネット環境に問題がないか、問題なく入室出来るか、事前に確認しておきましょう。

 

6.書類作成・資料整理


上司が会長職や社長職となると、取材や講話、セッションなどの依頼も多数あります。

 

取材

予め必要となる書類を取りまとめ、ご提出する場合があります。

また、撮影が入ることが多いため、写真映えをするお部屋を確保したり、社内を撮影する場合は、社員にも事前に通知するようにしておきましょう。

 

取材内容にもよって異なりますが、雑誌などの場合は、直近に発行された雑誌を事前にお渡ししたり、メディアの場合は、どのような方が取材されているのかを、予めお伝えするとGood。

実際に、記事が掲載された際は、実物をお見せ出来るよう準備をし、社内にも積極的に発信するようにしましょう。

 

取材が入る際は、取材が始まる前〜記事掲載後まで、取材者の方に対して、敬意を払ってご対応し、秘書の対応によって会社の評価を損ねないよう、十分に気をつけましょう。

 

講話

講話する際は、講話資料の準備が必要となります。

まず会場を把握し、オフラインの際は、会場の規模感やスクリーンの投影サイズを確認し、参加者の方が読みやすい文字の大きさや色使いに、配慮しましょう。

 

また、可能な範囲で、事前に会場入りをして、音声チェックやスライドの動きなどを、念入りに確認しておくとGood。

ムービーなどを投影する際は、通常よりもデータ容量が大きくなり、破損する可能性もあるため、いくつかデータを用意しておき、緊急時にも対応できるようにしておきましょう。

 

講話終了後、参加者からの意見を、いくつか上司に伝えると、喜んで下さることが多いため、出来る範囲でお伝えすると尚良いでしょう。

 

セッション

セッションを行う際は、事前にお相手の詳細情報を、上司にお伝えすることが必要になります。

これまでの経歴や、メディアでの発信内容、書籍の出版状況など、秘書の分かる範囲でも問題ないため、事前の情報収集をした上で、上司にお伝えしましょう。

 

また、初対面の場合は、事前に顔合わせを行うこともあるため、上司に希望するか否かも確認しておくと良いでしょう。

 

7.電話・来客対応


上司の役職によって、上司宛の連絡は、全て秘書を通す場合もあります。

頻繁に、クライアント様を装った、営業電話がかかってくるため、事前に上司にお繋ぎする条件を、確認しておきましょう。

 

また、来客があった際、秘書がお部屋までご案内することになります。

会社を代表して、ご対応することとなるため、清潔感のある服装落ち着きのある立ち振る舞いを心がけ、失礼のないように心を込めてご対応しましょう。

 

その後、人数分のお茶を準備して、お一人ずつお配りします。

こちらは、一般常識ですが、入室時や配膳の順番にも気を配って、失礼のないようにご対応するようにしましょう。

 

8.お礼状の作成


お中元やお歳暮など、上司宛のお届物があった際は、お礼状をお送りします。

通常はお荷物をお受け取りしてから、3日〜遅くとも1週間以内には、お礼状をお送りするようにしましょう。

 

都度作成していると時間がかかってしまうため、予め定型文を用意しておき、お相手に合わせて、お言葉を添えるようにしておきましょう。

また、お酒など、お持ち帰りが難しいものは、上司のご自宅までお届けすることもあるため、必要に応じてご住所を伺っておくと良いでしょう。

 

9.慶弔事務・電報の手配

社員の結婚式や、ご家族のお葬式などでは、上司名義で電報や弔花をお送りすることがあります。

都度、業者からお調べしていると時間がかかってしまうため、予め業者を選定しておき、すぐに電報が送れるよう、準備しておきましょう。

 

また、クライアント様が昇給昇格をされたり、新規事業の立ち上げや、新規店舗の開設を行われた際は、お祝いのお言葉やお花をお送りすることもあります。

個人名となる場合は、必ずお名前の漢字表記や、お花の金額など、細かな内容を正確に確認するようにしましょう。

 

業者によっては、配送エリアが限られるケースもあるので、全国配送が可能なHANAMAROがオススメです。

 

10.手土産の用意

クライアント様のお祝いや、お礼のお返しをする際、上司に代わって手土産を用意することがあります。

開業や開店、就任や昇進など、あらゆるシーンに対応する必要があるため、予めお気に入りの店舗通販サイトを頭に入れておくと便利です。

 

antina for BUSINESSは、あらゆるお祝いの用途から検索が出来るので、秘書として重宝しています。

 

11.その他

その他にも、企業によって細かな業務を担当することがあります。

ここでは、ご参考までに私が行っていた業務を、ご紹介します。

 

重要書類の管理・破棄

一般社員が知り得ないような情報・書類をお預かりして、管理や破棄をすることがあります。

社員の目に触れてしまったり、口外してしまうと、会社として大きな損失を生む可能性も。

必ず自身の心の内にとめて、きちんと情報死守・破棄出来るよう細心の注意を払いましょう。

 

お部屋の掃除・鍵の管理

企業によっては、秘書が上司のお部屋を掃除したり、鍵を管理することがあります。

まだ公表されていない情報や書類を目にすることがありますが、決して口外せず、掃除だけに集中するようにしましょう。

 

パソコンのアクセス権限の管理

上司がパソコン作業を苦手とされる場合、新しいソフトの導入など、パソコン作業を秘書が代理で行うこともあります。

必要な作業のみ実施し、その他の情報については、閲覧しないよう十分に注意しましょう。

 

ご家族情報の把握

何かご家族に緊急事態が発生した際、上司宛に公共機関より、お問い合わせが入ることがあります。

上司が不在の場合、勝手に回答することは控え、必ず上司に確認をとってから、回答するよう気をつけましょう。

 

秘書として求められる対応

これまでの秘書の経験を通して、私が必要だと感じた「秘書に求められる対応」をご紹介します。

 

対上司

正確性と迅速性

秘書として務める以上、仕事の正確性と、処理スピードは必ず必要となります。

秘書が誤った処理をしたり、処理が遅延してしまうことで、会社や上司に損失を生んでしまう可能性があります。

依頼された業務は、ミスなく迅速に出来るよう、普段から徹底した事前準備をしておくよう、心がけましょう。

 

計画性

長年秘書を務めるようになると、イベントや行事のスケジュールを把握出来るようになります。

事前に依頼されていなくとも、予め他部署に情報収集を依頼するなど、「上司がスムーズに仕事をするために、自分には何が出来るか」を常に考えて、行動するよう努めましょう。

 

細かな気遣い

日々スケジュールに追われる上司にとって、1つの気遣いに心が癒されることも。

事前に依頼をされていなかったとしても、お好きな飲み物やお菓子を用意したり、急な来客にもお礼をお渡ししたりと、いつでも心配りを出来るよう、準備しておきましょう。

 

対クライアント

物腰柔らかな応対

初めてお会いするクライアント様にとって、会社の顔となるのが秘書

電話やメール一つとっても、自分を通して「会社」を見られていると思うことが大切です。

 

どのようなクライアント様に対しても、来客時だけでなく、電話の声色や、言葉遣いお礼の伝え方など、細かなところまで気を抜かずに対応するようにしましょう。

 

清潔感のある服装

お約束がある時以外にも、急なご来客があることもあります。

普段から清潔感のある服装を心がけ、急なご対応でも相手に不快感を与えないよう、誠意を持って対応するようにしましょう。

 

小さな心配り

ご来客時など、直接クライアント様と、お会いするときにする小さな心配りは、とても大切です。

遠方からいらっしゃった場合は、スーツケースなどの大きなお荷物をお預かりしたり、雨が降っている際は、タオルをお渡しするなど…

上司に指示されていなくとも、クライアント様のために出来ることは何かを考え、行動するようにしましょう。

 

上司が不在の場合、ご来社いただいた場合は、お渡しする書類をお預かりしたり、実際にお渡しした際は、お礼のご連絡をしたりと、出来ることはたくさんあります。

上司とクライアント様が、良いお付き合いが出来るよう、最善を尽くしましょう。

 

対社員

謙虚さ

社員の上司となる方に、秘書として務めている場合でも、常に低姿勢で、謙虚に対応するようにしましょう。

秘書だからと、高飛車のように振舞っていては、社員から反感を買ってしまい、万が一自分がミスをしてしまったときに、サポートしてもらえないという可能性もあります。

 

秘書としての評判が良いと、上司としても安心して仕事をすることが出来るため、社員もお客様の1人と捉え、謙虚に対応すると良いでしょう。

 

上司の言葉の代弁

上司が、ふとしたときにある社員を褒めたり、ぽろっと感謝の気持ちを言葉にされることがあります。

そんなとき、「上司がこのように仰ってました」と、上司の言葉を代弁することで、社員のやる気や向上心につながることがあります。

 

普段から、上司と接点があまりない場合は、積極的にお伝えするようにしてみましょう。

 

秘書として求められる対応 まとめ

近年、個人事業主も秘書を雇う傾向が増えてきており、秘書のニーズは年々増えています。

仕事内容自体は難しいものではありませんが、クライアント様にとっては、大事な情報を共有することになる、重要なポジション。

 

人として信頼出来るか」「一緒に働きたいと思ってもらえるか」も重要なポイントとなります。

今後、秘書としてお仕事してみたい方は、ぜひ上記の内容を参考にしてみてくださいね^^